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日本に住んでいると他人の宗教を気にしない

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他人の思想や宗教が自分に関係することなど、そう多くはありません。人は自分に関係のないことは頓着とんちゃくしないのですから、気づきもしないことなのでしょう。

 

 

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目次

 


相手宅の宗教は

お悔みごとの知らせを頂き、遠方だったので弔問はせずに香典とお悔み状を送ることにしました。相手方が仏教徒であるとは以前に耳にしたことがあったので、ひとまず仏式に沿おうとしたところ、その中でも宗派によっては仏式の中でも特殊なものがあると知りました。

 

浄土真宗では「ご霊前」や「冥福をお祈りします」などは使わない

かねてより神道やキリスト教などの場合は使用しないことは存じていましたが、仏教の中でも使用できないことがあるとは、なんてこと。「仏教」ってだけわかっていれば大丈夫だと思っていたのが打ち砕かれました。

浄土真宗では「冥福を祈る」という言葉は使いません。

また、「草葉の陰から」や「天国」などの言葉も使いません。

真宗仏事のココロエ|浄土真宗本願寺派 信行寺

 

どうしたものかと調べている中に「気にしない人もいるから大丈夫」という意見をいくつか目にしました。ですが宗派によってはそぐわないことがある、と既に知ってしまったのです。そこであえて使用するほど、私のハートは強くありません。

 

宗派の確認のために連絡するのは憚られたため、どの場合でも対応できるよう、全力でお悔み状をしたためました。簡潔にいうと、上記の二つの用語は使用しなかったってだけです。

 

実際、文章を作るために参考にすべく いくつもの例文集を読みましたが、驚くほどの高確率で「ご霊前にお供え…」「冥福を…」という言葉、使っていました。それだけ多くの方が他人の宗教を気にしないということなのでしょうか、それとも現代日本の多くが仏式で葬儀が行われているので、大前提が一部の仏式用なのでしょうか。あるいはネットのサイトは情報が偏っているのかもしれません。

 

しかしながら、仏式葬儀が多数派だったとしても、浄土真宗の信者って仏教宗派の中で一番多いんですって。それらのデータとの矛盾を感じます。 「宗教がわからなければ『霊前』って使っておけばいい」という意見があるので、「霊前」はまだ意義があるのかもしれませんが、「冥福」の多用はどうしても気になります。

【参照:日本の主な宗教宗派http://www.osoushiki-plaza.com/library/data/data131.html

 

 

 


宗教によっては食べられない

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小説『砂漠の悪魔 』近藤史恵 より

主人公(日本人) が中国の とある家庭にお世話になっていたとき、ある日、帰宅時に屋台でチャーシューを買って帰りました。

家主は「豚肉は食べたくない、あなたたちが食べるために家のお皿や包丁を使われるのも嫌だ」と返します。 家主はウイグル族でイスラム教徒。主人公は仕方なく食べずに外のゴミ箱に捨てました。

そして「日本にいたときは、他人の宗教に配慮するなんて考えたこともなかった」と独白します。

確かに、相手側から申告されない限りは積極的に他人の宗教を気にしないのが日常です。一緒に食事に行く際も「食べられないものはある?」と聞くのは大前提アレルギーや嗜好についてを確認しています、少なくとも私はそうです。

しかし焼肉に行った とある日「牛肉が食べられない」と言われたときだけは宗教上の理由なのかと最初に考えました。結果、その人はアレルギーで食べられない人でした。

 

他人の宗教を気にしていないと、上記小説の主人公のようなことをしてしまう可能性があるということでしょうか。自分を含め、日本に住む多くの人はあてはまりそうです。

そしてこういった場面に遭遇して、初めて今まで気にしていなかったことに気づくのでしょう。実際に自分の身に関する何かが起きないと意識しづらいものです。「宗教上の理由」と聞かされたときと、「嗜好によって食べられない」と知ったときとは、抱くきっと感情はきっと異なるんですかね。

 

 

 


日本で初めて宗教を聞かれた場所

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都内の某大病院にかかったときの話。初診でカルテを作る際に記入した用紙に名前や住所などのよくある項目の他、「宗教(Religion)」と書く欄がありました。当時の私がなんて書いたのかは今や覚えていませんが、初めてのことで驚いたのは覚えています。

「無宗教」と書いたのか「仏教」と書いたのか……。日本で無宗教と言うのは特に珍しいことではないですが、とある学生時代の記憶がよぎったので、「無宗教」と記入することを少々ためらったのです。

 

 

その記憶とは高校生だったあの頃、地理の先生が教えてくれたことです。

「将来、海外へ旅行に行くことがあったら、宗教を聞かれることがあると思う。そういうときは『無宗教』ではなく、とりあえず『仏教徒』と答えた方がいいよ。無宗教だと危険な思想を持っていると思われるからね」

当時は文化の違いによって宗教観も違うのかと思ったくらいでしたが、案外覚えているものです。場所が日本であったとはいえ、宗教を聞かれた際に思い出すくらいには。

 

何故病院がわざわざ宗教を確認するかといえば、考えられるのは宗教によっては出来ない医療行為がある、入院時の食事の禁忌やお祈りの有無などでしょうか。他にもあるのかもしれませんが、いずれにしても患者のそういったところに気を留めるとはずいぶん先進的な病院かと存じます。

 

 

海外ドラマ『グレイズ・アナトミー』にて

敬虔けいけんなユダヤ教徒の女性患者がある医療行為について、ひどい拒絶をしているシーンがありました。心臓の弁の手術を行う際、豚の弁を使用すると説明された際「自分の体内に、禁忌である豚の一部が埋め込まれるなんて耐えられない」と。

宗教とは時に難しいものです。

 


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