子供のとき、両親や先生から奇妙に思えるアドバイスや、混乱させられるような助言を受けたことが誰しもあるでしょう。幼いクリント・スミスにとっては、この経験はある晩の出来事に集約されています。彼が暗い駐車場で、白人の友達と一緒に水鉄砲で遊んでいたときのことです。この心に深く訴えるトークで、詩人であるクリント・スミスは、彼の父親が見せた怒りと恐れに満ちた反応について描写します。
上記同リンク先紹介文引用
詩人のクリント・スミスさんによるTEDを見ました。
「アメリカで黒人の息子を育てる方法」 黒人であるがゆえに気をつけなければならないことや、疑問に思っていることなどが話されています。
内容抜粋
・アメリカで生き続けるために両親から、教えられたこと
→「手はいつも見えるようにしろ、手を速く動かすな」「日が沈んだらパーカーのフードはかぶるな」他にも多くのことに気をつけなければならない
・思春期の気まぐれが命取りになることもある
・純粋に好奇心を感じることや、子供らしくいることを制限された
・父親から「お前は白人の友達と同じような行動はできないんだよ」と言われた
・銃を撃つマネをしたり、物陰に隠れてはいけない
・黒人の友人は皆同じようなメッセージを受けて育っている
・世界では警察や自警団によって武器を持たない 黒人の男女が命を奪われている
・私たちは銃弾の標的ではない
・私たちは恐怖を感じることなく、この世に存在する価値があると主張したい
・自分の息子が手にしているものが、玩具以外の何かに見間違われることのない世界に生きたい
感想
白人の警察官が黒人の少年を射殺したニュースや、街によっては黒人が道を歩いているとしょっちゅう職質をされたり、理不尽な目に遭っているという話はメディアを通して見聞きします。それだけ漠然とした「黒人」に対しての人種差別が深いものであると知ります。
持って生まれたことによって自分の行動が規制されることに、幼心には違和感を感じた、けれど両親はただ生き続けてもらいたいと思っていることを次第に理解していったと話されていました。
印象的だったのが「お前は白人の友達と同じような行動はできないんだよ」と父親に言われたときのエピソードです。
夜、白人の子供が水鉄砲で遊ぶことができても、黒人の子供は同じように遊ぶことができない。誰かに実弾に見間違われて最悪の事態になることもありえた、というもの。
肌の色によって行動が制限されるという世界の息苦しさをスピーチを聞いていただけでも感じました。けれど実際に当事者の彼らが感じているものはどれほどなのか察することはできません。
同時に、いくらニュースで見聞きしても、当事者の「声」として話されていることを聞く方が何倍も「リアル」なものであると知ることができました。
彼らの息苦しさは命に関わるものですし、他の何かと決して比較をするつもりはありません。けれども息苦しさを感じている存在は大小様々な規模で世界にたくさんいらっしゃるのだと改めて感じました。
自分の世界だけが全てはない。自分が快適な環境が、同じように感じることが出来ない人たちもいる。
自分にとっての「普通」は、他人の「普通」ではない。と、私は常々思っています。