前回の続き、以下のTEDトークの内容をまとめた記事です。
記事の文字数が多くなったので二つに分けました。
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目次
内容まとめ (一部割愛 有)
Why do we sleep? | Russell Foster
睡眠不足の弊害
≪体重増加≫
毎晩 5時間以下しか寝なければ、50%の確率で肥満になる。
睡眠不足はグレリンと呼ばれる、食欲増進ホルモンを分泌するようなのだ。 グレリンが分泌され、脳に到達すると 脳は「炭水化物が必要だ」と言い、炭水化物―特に糖分を求めるようになる。だから疲労と 体重増加につながる代謝傾向とは関係がある。
ストレスの弊害
疲れた人は 大きなストレスを抱えている。
ストレスが続く → 睡眠不足
≪ストレスが引き起こすもの≫
・物忘れ
・免疫力が下がる (疲れた人は感染症にかかりやすくなる。
≪病気の例≫
・2型 糖尿病 →ストレス・レベルが高まると血液中のグルコースが増え、血糖値が高くなり その結果グルコース耐性がなくなる。
・心臓 血管病 →ストレスでかかりやすくなる。血圧が上昇するため。
単に脳がちょっと正常に機能しないだけではない、大抵の人は 睡眠不足はその程度だと考えているが。
どうすれば十分な睡眠か分かるのだろうか?
それは以下の内容に当てはまらないことである
- 朝 ベッドから出るのに目覚まし時計が必要
- 起きるのに時間がかかる
- 興奮誘発剤(カフェインなど) がたくさん必要
- 同僚から「疲れて不機嫌そう」と言われる
よく眠るためには
寝室を 眠りの聖域にしよう
- できるだけ暗くして ちょっと涼しくすること
- 寝る前の少なくとも30分前から 光を浴びる量を減らす
→光があると覚醒してしまい、眠りに入るのが遅れる
- 遅い時間にカフェインも取らないようにしよう。理想は ランチ以降は取らないこと。
- 朝は 光を浴びよう。
→朝に光を浴びるのは 体内時計の明暗サイクルの調整に非常に効果的
基本的には自分の声に耳を傾ければよい。落ち着こう、自分が落ち着くことを工夫して 蜜のように甘い眠りに 身をゆだねよう。
睡眠の迷信について
・十代の若者は怠け者
あの子たちは 生体リズムが 遅く寝て、遅く起き 休めるようになっているのである。
・毎晩 8時間睡眠が必要
それ以上必要な人も それ以下の人もいる。適切な量は自分の身体に聞かないといけない。
・年を取ると睡眠時間が減る
事実ではない。年配者でも睡眠欲は減らない。 眠りが分散してまとまって寝にくくなるが、必要な睡眠量は減らない。
・早寝早起きで、健康で お金持ちで賢くなる
早寝早起きでお金持ちになるなんて、どこにも証拠はない
社会経済的地位にも違いはない
私の経験上、朝型人間と夜型人間の違いと言えば、朝早く起きる人はうぬぼれが強いくらい。
神経科学の最新研究について
【メンタルヘルスと 精神疾患 睡眠障害との関係 】
130年も前からひどい精神疾患には 必ず 睡眠障害が伴うと分かっていた。しかし、ほぼ無視されてきた
1970年代にこの問題が再び検討されたとき 「統合失調症の人が睡眠障害になるのは当然である、抗精神病薬を飲んでいるのだから。抗精神病薬が睡眠障害の原因だ」とされた
抗精神病薬が出る前に 睡眠障害が報告されていた(100年間) ことは無視されてしまった
≪統合失調症の患者の眠り≫
彼らの眠りは完全に打ち砕かれる
- 大抵の場合夜間 起きていて、昼間に眠る
- 24時間周期がなくなる人もいる
- 明暗サイクルによって眠りをコントロールできない人もいる
- 毎晩 段々遅く起きるようになり、ついには眠れなくなる
何が起こっているのだろうか?
精神疾患と睡眠は単に相関関係があるだけでなく、脳と物理的にリンクされている
通常の眠りを誘う神経ネットワークによって通常の睡眠に導かれるが、メンタルヘルスを もたらすネットワークも重なっている。 根拠は何だろうか?
通常の睡眠をとる上でとても重要とされた遺伝子が 突然変異し、変化した場合 メンタルヘルスの問題を引き起こすのだ。
研究により得られた成果
1. 睡眠障害は ある種の精神疾患の前兆で、躁うつ病の危険が高い若い人たちの間で見られること
躁うつ病の診断を受ける前から睡眠異常があった
他のデータによれば睡眠障害は 精神病に実際に悪影響を与え 病状をさらに悪化させる可能性がある。
同僚のダン・フリーマンは様々な物質を使い 眠りを安定させることでパラノイア(妄想症)患者の症状を 50%も改善させた
2.もし眠りと睡眠障害を 早期警告シグナルと使えれば 解決の可能性がある
病気にかかりやすい人たちを 早めに助けることも可能になる
3.脳内の睡眠をつかさどる場所を 新しく治療対象とできる
不安定な人の眠りを安定させれば より健康にできるし、精神疾患の怖い症状も緩和できる
締め
眠りについて私たちの意識は変化してきた
産業革命前には羽根布団で大事にくるまっていた。 眠りの重要性を本能的に知っていたのだ。
これは つまらない戯言ではない。 健康になるための実践的アプローチだ。
- 良い眠りは集中力や 注意力 決断力 創造性 社会性健康を高める
- 良い眠りにより、気分変化やストレス、怒りや衝動性、飲酒やドラッグ嗜好を抑えられる
そして最後に。眠りの神経科学を理解することは、精神疾患の いくつかの原因解明に有用であると言った。実際 これにより新しい方法で 私たちを衰弱させる精神疾患を治すことができる。
ファンタジー作家のジム・ブッチャーは言った「眠りは神様である 崇拝せよ」 皆さんも そうされることをお勧めする
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まとめ
・睡眠不足の状態が続くと体重が増加する
・疲れた人は大きなストレスを抱えている。ストレスが続くと睡眠不足に陥る。
そして様々な身体的不調の原因にもなる(物忘れ、免疫力低下、がん、2型糖尿病、心臓血管病 など
・朝型人間と夜型人間の違いと言えば、朝早く起きる人はうぬぼれが強いくらい。
・130年も前からひどい精神疾患には 必ず 睡眠障害が伴うと分かっていた。しかし、ほぼ無視されてきた
・≪研究により得られた成果≫
- 睡眠障害は ある種の精神疾患の前兆で、躁うつ病の危険が高い若い人たちの間で見られること
- もし眠りと睡眠障害を 早期警告シグナルと使えれば 解決の可能性がある
- 脳内の睡眠をつかさどる場所を 新しく治療対象とできる
・睡眠は健康になるための実践的アプローチだ
「眠りは神様である 崇拝せよ」
おわりに
2つ目のこちらでまとめた内容にも いくつも感銘を受けましたが、最たるはコレです。
「朝型人間と夜型人間の違いと言えば、朝早く起きる人はうぬぼれが強いくらい」
内容まとめのときも、つい わざわざ文字サイズを変更してしまうくらい揺さぶられました。私も、仕事の出来って 早起きするか否かじゃないと思うんです。そして早起きをする人は、遅く起きる人を見下している感は、ある。
スピーチ内で引用されていた「早起きでお金持ちになれる」というもの、日本ver. ですと「早起きは三文の得」ってやつですかね。
前に読んだ本に、早起きの人を重用している例として 当てはまるところがあったので引用します。
儒学者に言わせれば、「遅寝早起き」こそ道徳的に好ましいライフスタイルだったのだ。しかし日本の文献は中国の文献と違い、遅寝はほとんど無価値とされている。日本人がとりわけ関心を抱いたのは早起きの方だった。だが夜間の勉強は歓迎され、藩校では行者めいた修行が導入された。あえて夜に勤勉に勉強し、朝早く起きる男こそ、道徳面から言って要職に就くに値する人物とされた。
引用:『世界が認めたニッポンの居眠り 通勤電車のウトウトにも意味があった! / ブリギッテ・シテーガ (著), Brigitte Steger (原著), 畔上司 (翻訳) 』CCCメディアハウス
日本人も早起きに重きを置いている歴史だったようで。早起きをする人はうぬぼれが強いようです。
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— りつ@ナルコレプシー (@rit_narcolepsy) December 6, 2016
とてもひどい暴力をぶつけているのだと、どうか気づいてほしい。#ナルコレプシー #過眠 #病気 #啓発
意識が途切れるくらい眠くても、自動症によって歩行が続けられてしまうのです。
— りつ@ナルコレプシー (@rit_narcolepsy) November 14, 2016
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